体験談


インスリン依存型糖尿病(IDDM)の女性からの体験談です。
突然の糖尿病の診断を受け入れ、糖尿病でない方にも糖尿病の本当のことをもっと知って欲しいといわれています。[平山純二]


私の同居人"糖尿病”
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 私はIDDMの患者で、現在22歳です。発病したのは17歳でした。 原因はよくわかりません。発症時は血糖値が800mg/dlもありました。 それでも体調は悪くはなく、午前中まで学校に行き,午後から自分で電車に乗って病院に行ったくらいです。 病院についたときには昏睡直前でした。 ですから当然医師や看護婦さんもおどろいてしまい、即入院!になってしまいました。
 糖尿病が見つかる少し前から確かにやせてきたのですが、別にダイエットしていたわけではないのですごく喜んでいたのです。 10-15sもやせたのですから。それが糖尿病だとは思いもよりませんでした。
 私は今までに3度高血糖性昏睡に陥りました。一回目はこの病気の発症時で、2回目は風邪をこじらせてしまって、3回目は薬が入っていなかった時です。自分の不注意からだと思います。とにかく私のコントロールは難しいらしいのです。血糖値も自分でチェックしています。 自分で自己管理をしなくてはならないのが大変かな。やらなきゃいけないのはわかるのですが、なかなかうまくいかないのが現状です。 食べなきゃ注射を打てない、だけど食べ過ぎてはダメという葛藤もありますね。  そういったこととかで自己管理の大変さを感じます。

[もっと糖尿病のことを多くの人に理解してほしい]

 体験談なんて私は話すようなことを経験していませんが、ひとつ言えることは「1人で悩まない事」かな。 私は高校2年の時に3ヶ月も入院してしまい単位が取れなくて留年しました。 だけど私は成績が悪くて留年したのではない!と誇りを持っていたから、新しい学級の自己紹介で病気のことを話しました。 それでもわかってもらえない人もいましたが、私の周りの人は協力してくれました。 いろいろな面で助けてくれました。 だから学生でこの病気を持っている人に伝えたいことがあるとすれば、「きっとあなたの周りにも理解してくれる人が必ずいると思う。 変に病気のことを隠したりせずに心を開いてみるべきだと思う。」 ということです。目の悪い人がメガネをかけるように、私はインシュリン が分泌されにくいから注射で補っているんだ・・・。っていうような感じでかな。 自分の中に閉じこもっていたって始まらないし、悔しいじゃないですか、 こんな事でつまらない生活をしていても。私はそう思ってやってきました。

 この病気があるということをもっとたくさんの方に知ってほしい。 私だって自分がこういう病気になったから知っているけれど、たぶん何にもなかったら知らないままだったと思います。 辛さはなった人にしかわからないけれど、その分、理解もできると思います。 心ないことを言われたりもしましたが、そういう人たちの方が、心の病にかかっていると私は思う。 ハンディーを持った人に優しくできない、そういう人の方がかわいそうな人間なんだなあって感じます。
 実は自己注射のことでずいぶん中傷を受けました。麻薬をやっているみたいだとか、からかわれたりしたこともあります。 だから、理解していただけない人もいることはわかっています。 幸い、私の周りには、そういう人はいませんが・・・。 理解してくれないから逃げるのではなく、もし話とか聞いてもらえる人ならばとことん話してみるラきだと思うな。 自分から前向きに行かないと理解してもらえない。 これが私の考え方です。 勿論、数年前まではこういう考え方はできませんでした。どうでもいいや、ってな具合でやってきました。 >

 私はよい経験をしたと思っています。私ぐらいの年齢だったら何も考えずに暮らしているのが普通ですよね。 でも、いろなことがあったから人にも優しくできるようになったと思います。 糖尿病は、私にとっては同居人だと考えています。

 最後に、これを読んでくれた人は、いろいろな病気を持った人、そうでない人がいると思う。 病気を持っていない人に一言だけ言いたいことがあります。 ほんの少しでもいいから、温かい心を持ってください。 そして、少しでもいいから、こういう病気の人もいるんだと感じてください。





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